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それは周囲の反応も同じだった。
就職準備もあって、すっぴんの彼女も化粧をするようになる。
女の子って不思議だ。
ちょっと目元をはっきりさせるだけで、 ちょっと眉を整えるだけで、ずいぶんと印象も変わってくる。
外見が変わると、彼女は目立つ存在になりつつあった。
「最近、めちゃかわいくなった!!」
ぼくは素直な感想を彼女に伝える。
ついでに、
「鏡のお陰だな。」
とも。
ほんの、冗談のつもりだった。
就職して、一人暮らしを始めた彼女。
一人暮らしのお祝いに、化粧バックを贈った。
どこかに、姿見をプレゼントしたから彼女がかわいくなった、
と思いたいぼくもいたのかも?
蓋の裏前面に鏡のついた化粧バック。
彼女は喜んでくれた。
初めて彼女の部屋にお邪魔したとき。
ほんの少しの違和感。
なんだか、鏡が多い?
玄関に3つ。
寝室にもリビングにも。
「一人だと、後ろ姿とか確認できないから。」
確かに。
納得したような、していないような・・・。
それからも、彼女の部屋を訪れるたびに増える鏡。
それに比例するようにかわいくなる彼女に複雑な気分。
一人暮らしを始めてから、お給料が入るたびに、購入しているらしい。
就職してすぐ、一緒に住んでいれば、こうはならなかったのかなぁ。
後悔先に立たず。
「じゅうぶんかわいいよ。」
そう言っても、
「ありがとう。でも、ちゃんとしなきゃ。」
と、聞き入れてもらえなかった。
彼女自身には、全く不満はない。
けれど、これから先、一緒になるには不安はある。
人の内面の良さを写す鏡があればなぁ。
なんとなく。
そんな鏡があれば、彼女は今の自分自身に
満足できるんじゃないかって、そんな気がした。
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昨日の夜の話
どうやら扁桃腺がはれていたようだ。
声が思うように出なくて辛かったが
抗生物質で抑えることできた。
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