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バイト料をほぼ使い切っていたぼくは、
その日の待ち合わせを昼からにしてもらっていた。
彼女は、午前中、お姉さんから子守りのバイトを頼まれ、
姪っ子と遊んでから待ち合わせ場所に来たという。
その、姪っ子が好きだというキャラクターのシールが、
いつの間にか彼女の服にくっついていたのだろう。
姪っ子に泣かれて、なかなかお姉さんの家を出られなかったらしい。
何とか寝かしつけ、あわてて家を出た彼女。
当時は実家に住んでいたけれど、そこへ帰る時間もなかったという。
お姉さんの家から待ち合わせ場所まで30分。
彼女はでっかいシールを見せ付けるように、電車にも乗ってきたのだ。
ぼくは、指摘して良いものか迷った。
けれど、いきなり背中に手を伸ばす勇気はない。
そっと剥がすには、でかすぎるシール。
かといって、このままシールとともに、ぼくも行動するのか?
迷っている間、沈黙していたぼくに、彼女が戸惑っていた。
仕方なく。
「これ、シールやったんや!」
きょとんとする彼女に
、
「剥がしていい?」
と、断り、べりっとシールを剥がした。
しばらく、何が起こったかわからなかったよう。
数秒間、そのシールを見つめて、やっと状況を把握したようだ。
あまりの恥ずかしさか、赤面して、涙を浮かべてしまったのだ。
ぼくが悪いんじゃないぞ。
周囲から、どんな目で見られてる?
あたふたした。
とりあえず、頭をなでて、サ店へ促す。
ミルクティを飲んで、少し落ち着いたようだ。
それから、それまでのイキサツを聞いた。
なるべく彼女が気にしないように、笑い話になるように。
彼女も微笑んでくれていたけれど、
まだ落ち込んでいるみたいだった。
思わず。
クリスマスプレゼントのお返しに、
次のバイト料で、玄関に置く鏡をプレゼントする約束をした。
彼女はうれしそうだった。
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昨日の夜の話
今日は残業が長引いてしまった。
できる事なら仕事を持ち帰りたくない
主義だから、絶対に終わらせて帰ろうと
頑張った結果終電を逃しそうになった。
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